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採水・簡易抽出・PCR測定

ゴーフォトンは、環境DNAの測定で、日本板硝子(株)社製モバイルPCR装置PicoGene®PCR1100を用いたアプリケーションを開発しています。この装置を使用することで、PCR測定が10~15分で行うことができます。

しかしながら環境水から被検体を抽出するプロセスは、例えば環境DNA学会のマニュアルに従うとかなりの手間、機器類、時間を必要とし、上記の短時間での検出の特徴を生かすことが困難です。ゴーフォトンでは、採水からPCR検出までの工程をいかに短時間で行うかを検討してきました。


環境DNAの簡易抽出

環境DNAのPCR測定に供するサンプルを迅速に採取・抽出する方法として、簡易抽出法を開発しました。その特徴として、

  • 短時間で完了する
  • 現場で分析が可能
  • 加熱・遠心等の機器が不必要
    ヒータ、インキュベータ、ボルテックスミキサー等を必要としない)
  • 手順が少ない
  • 実験に不慣れな人でも作業しやすい
  • 標準的な抽出法と比較して遜色のない感度が得られる

この方法によると抽出は約10分で行うことができます。以下にその作業手順を紹介します。なお、この方法は動画でもご覧いただけます。


採水・ろ過

  • 1. 採水

    採水作業の写真
    川などでバケツなど使って採水する写真
  • 2. カートリッジ型フィルターによる濾過

    カートリッジ型フィルターを用いた濾過の写真
    シリンジを使って、カートリッジ型フィルタ(Sterivex等)を用いて、ろ過します。
  • 3. ろ過後

    ろ過後のSterivex

DNA抽出 (約10分)

  • 4. DNA抽出試薬の注入

    簡易抽出法の1ステップであるA液の注入時の写真
    規定量のカネカ社 簡易DNA抽出Kit V2 のA液をSterivexに注入します。
  • 5. 攪拌

    簡易抽出法の1ステップであるフィルタカートリッジ内のA液の攪拌時の写真
    約1分間、注入したA液がフィルタに行き渡るよう、手で攪拌します。
  • 6. 排出

    ステリベックス内の液を、マイクロチューブに排出します。この際、ステリベックスとマイクロチューブをビリュー式遠心器にセットし、回転させることで簡単に排出できます。
  • 6.1 ビリュー式遠心器の準備

    ビリュー式遠心器の写真
  • 6.2 マイクロチューブのセット

    ビリュー式遠心器にマイクロチューブをセットする写真
  • 6.3 Sterivexのセット

    ビリュー式遠心器にSterivexをセットする写真
  • 6.4 回転

    ビリュー式遠心器を回転させている様子
  • 6.5 排出後

    ビリュー式遠心器でマイクロチューブに抽出液が排出された様子
  • 7. 中和

    マイクロチューブにB液を添加する様子
    マイクロチューブに、規定量のカネカ社 簡易DNA抽出Kit V2のB液を注入します。

PCR (約15分)

  • 8. サンプルの分注

    サンプルをマイクロチューブに分注している様子
    マイクロチューブに抽出した液を分注します(1.4μL)。
  • 9. 抽出液と試薬の混合

    マイクロチューブにマスターミックスを加えている様子
    マイクロチューブにPCR試薬(マスターミックス)を添加し、攪拌します。
  • 10. 流路チップへの注入

    検体を流路チップに注入している様子
    検体をPCR1100用の流路チップ(MCP1100)に規定量注入します。
  • 11. 流路チップのセット

    流路チップをPCR1100にセットする様子
    流路チップをPCR1100にセットします。
  • 12. PCR測定

    測定の開始時の写真
    PCR1100のスタートボタンを押すと、初期設定後に測定が始まります。
  • 13. 測定終了

    測定完了時の写真
    既定のサイクルが終了すると、検出・非検出が表示されます。
  • PCR (約15分):画像7

簡易抽出法(動画説明)